医療情報の重要性は医学・医療の進歩に合わせてますます高まっています。近年の高精細で高性能な診断装置を用いた診断技術やゲノムを用いた最適な薬剤による治療など個々の患者に合わせたオーダーメード医療が発展しています。これらの診断・治療の基礎には多様な情報が利用され、現代の医療に欠かせない存在なっています。

日本医療情報学会は医療者や研究者の交流の場として1983年に設立されました。その当時はPCが普及し始めメインフレームのシステムからクライアントサーバシステムへ大きなパラダイムシフトが起こっていました。その大きな変化の中で医療情報をどのように管理し、システムをどのように構築していくのかが大きなテーマでした。1999年に診療録等の電子保存に関する通知により電子保存の三基準が提示され,多くのシステムベンダが電子カルテを開発し、その普及が始まりました。2005年には電子保存の三基準をどのように担保するのか「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」が発表され,医療情報システムは「開発の時代」から「運用の時代」に移っていきました。そして2007年に北海道大学病院 医療情報学講座 櫻井恒夫教授を支部長に日本医療情報学会北海道支部会が設立されました。それから十数年経過し、運用の時代において蓄積された医療情報を活用し診療や治療はもちろんのこと、医学研究や教育への活用など様々な発展を遂げています。つまり「運用の時代」から「活用の時代」に変化しています。今後人工知能(AI)などによる判断支援や業務支援システムの導入が予想されます。このときAIに活用される情報の質が問われることになります。つまりビッグデータからクオリティデータへ医療においては発想の転換の時代であると考えます。

こうした状況の変化、医学・医療の発展の中で、本支部会は医療情報を取り扱うすべての医療者にとって安全で、質の高い情報管理についての啓蒙と研究の場、交流の場を提供し医学・医療の発展、さらにはAI、IoT、クオリティ(ビッグ)データやブロックチェーンなどさまざまな要素技術への応用発展の機会の場として貢献できるように考えています。

 

日本医療情報学会北海道支部会

支部長 上杉正人